[業界ニュース]2012-02-17 18:08:57血圧の左右差が15mmHg以上あると死亡リスクが上昇――10mmHg以上の差で末梢血管疾患の疑い

 左右の腕で測定した収縮期血圧の差が10mmHg以上あると、無症候性の末梢血管疾患の存在が疑われ、さらなる血管の検査が必要。差が15mmHg以上あると、死亡リスクが上昇する―。そんな知見が、英Exeter大学のChristopher E Clark氏らが行った系統的レビューとメタ分析で得られ、Lancet誌電子版に2012年1月30日に報告された。  末梢血管疾患はその後の心血管イベントと死亡の危険因子であるため、早期に発見して介入すれば死亡を減らせる可能性がある。しかし、無症候性の末梢血管疾患の発見は難しい。診断には通常、足関節上腕血圧比(ABI)が用いられるが、時間がかかる検査で、測定には一定の経験とトレーニングが求められるため、プライマリケアで日常的に行われてはいない。  そこで著者らは、左右の腕で収縮期血圧を測定し、その差を求める方法がABIの代替になることを示唆する研究に注目。具体的に差がどれだけあれば、無症候性の末梢血管疾患ハイリスク者と見なすべきかを明らかにするために、血圧の左右差と末梢血管疾患、心血管疾患、脳血管疾患、死亡の関係を調べる系統的レビューとメタ分析を実施した。  Medline、Embase、CINAHL、コクラン、Medline In Processなどのデータベースに11年7月までに登録された研究で、左右の腕の血圧差と、鎖骨下動脈狭窄、末梢血管疾患、脳血管疾患、心血管疾患、死亡に関するデータを報告していたものを選び、ランダム効果モデルを用いてメタ分析した。  28件の研究がレビューの条件を満たした。うち定量的なデータを報告していた20件をメタ分析の対象にした。多くの研究が、心血管リスクが高い人々を登録していた。  血管造影を用いた侵襲的な研究5件では、鎖骨下動脈の狭窄(2件で50%超と定義、残り3件では不明)が確認された患者において、狭窄がある腕の収縮期血圧は、もう一方の腕に比べ平均36.9mmHg(95%信頼区間35.4-38.4mmHg)低かった。  左右の腕の10mmHg以上の差と鎖骨下動脈狭窄の関係は強力だった。2件の研究のデータをプール解析したところ、10mmHg以上の差があるケースに50%超の鎖骨下動脈狭窄が存在する可能性は、血圧差が10mmHg未満のグループの8.8倍になった(リスク比8.8、3.6-21.2)。左右差10mmHg以上を指標とする鎖骨下動脈狭窄同定の感度は65%(35-86%)、特異度は85%(82-88%)だった。  次に、非侵襲的な研究のデータをプール解析したところ、10mmHg以上の差は、末梢血管疾患の存在と有意な関係を示した。リスク比は2.44(1.53-3.87)、感度は32%(23-41%)、特異度は91%(86-94%)になった。15mmHg以上の差についても同様で、末梢血管疾患のリスク比は2.48(1.63-3.77)、感度は15%(9-23%)、特異度は96%(94-98%)だった。  脳血管疾患の既往と血圧の左右差の関係も有意だった。15mmHg以上の差がある場合の脳血管疾患歴のリスク比は1.63(1.10-2.41)、感度は8%(2-26%)、特異度は93%(86-97%)だった。  前向き研究では、死亡の増加とも有意な関係を示した。15mmHg以上の差がある人々では、心血管死亡のハザード比は1.68(1.11-2.53)、全死因死亡のハザード比は1.55(1.07-2.25)になった。10mmHg以上の場合には、いずれの死亡リスクも上昇傾向を示したものの有意にはならなかった。  末梢血管疾患の存在を予測する能力においては、収縮期血圧の左右差10mmHg以上または15mmHg以上という指標は、感度は低いが特異度は高いことが明らかになった。15mmHg以上の血圧差は、脳血管疾患の存在、心血管死亡リスク、全死因死亡リスクに関係していた。左右の腕の血圧差の測定は、死亡リスクを低減するための介入の機会を与える、と著者らは述べている。  原題は「Association of a difference in systolic blood pressure between arms with vascular disease and mortality: a systematic review and meta-analysis」、概要は、Lancet誌のWebサイトで閲覧できる。 http://medical.nikkeibp.co.jp/

[業界ニュース]2012-02-17 18:07:12妊婦のω3脂肪酸摂取に乳児のアレルギー減少効果見られず――卵アレルギーは減少、オーストラリアの無作為化試験DOMInOの結果

 妊娠中の女性がn-3系(ω3)長鎖多価不飽和脂肪酸(n3-LCPUFA、以下n-3系脂肪酸)を摂取しても、生まれた子供のIgE関連アレルギー全般のリスクは低下しないことが、オーストラリアWomen’s and Children’s Health Research InstituteのD J Palmer氏らが行った無作為化試験で明らかになった。ただし、卵アレルギーの発症は有意に少なかった。論文は、BMJ誌電子版に2012年1月30日に掲載された。  先進国では過去30年間にアレルギー疾患の罹患率が上昇し、いまや20%以上にまで増加している。急速な増加の主な原因は環境の変化と考えられており、食習慣もその1つだ。例えば脂肪酸であれば、n-3系脂肪酸よりn-6系の脂肪酸が好まれるようになった。  妊婦がn-3系脂肪酸を多く摂取するとIgEを介するアレルギー疾患の発生が減る可能性が示唆されていた。そこで著者らは、遺伝的に子供がアレルギーになるリスクが高い妊婦にn-3系脂肪酸または偽薬を投与し、生後1年の時点で幼児のIgE関連の湿疹または食物アレルギーの罹患率を調べることにした。  この無作為化試験DOMInOは、06年3月20日から08年5月8日まで、豪州アデレードで登録を実施した。母親自身、父親、兄弟のいずれかがアレルギー疾患(喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹)と診断されており、遺伝的にアレルギー疾患リスクが高い胎児(単生児)を妊娠している妊婦を登録。n-3系脂肪酸(368人)または偽薬(338人)に割り付け、妊娠21週から出産まで投与した。  介入群には、魚油カプセル(n-3系脂肪酸の1日摂取量は900mg、うち800mgがドコサヘキサエン酸、100mgがエイコサペンタエン酸)を投与、対照群には植物油を含む偽薬を投与した。  主要アウトカム評価指標は、1歳時点のIgE関連アレルギー疾患(アレルゲン感作が確認された湿疹または食物アレルギー)の診断に設定。皮膚プリックテストを行い、牛乳、鶏卵、小麦、マグロ、ピーナツ、草花粉、牧草(ペレニアルライグラス)、オリーブ花粉、カビ(Alternaria tenuis)、猫の毛、ヤケヒョウヒダニなどのアレルゲンの感作の有無を同定した。IgE関連食物アレルギーは摂取して60分以内に発疹その他の症状が現れ、皮膚プリックテストでアレルゲンが同定された場合とした。  母体血液と臍帯血のn-3系脂肪酸値はいずれも介入群の方が有意に高かった。  IgE関連アレルギー疾患の罹患率に有意な差はなかった。介入群が9%(368人中32人)、対照群が13%(338人中43人)で、未調整相対リスクは0.68(95%信頼区間0.43-1.05、P=0.08)、登録施設、経産回数、母親の病歴、性別で調整した相対リスクは0.70(0.45-1.09、P=0.12)と有意差を示さなかった。  IgE関連アレルギーのうち、感作が確認されたIgE関連湿疹(=アトピー性湿疹)は介入群に少ない傾向が見られた。介入群が7%(368人中26人)、対照群が12%(338人中39人)で、未調整相対リスクは0.61(0.38-0.98、P=0.04)、調整相対リスクは0.64(0.40-1.02、P=0.06)。  アレルゲン別に見ると、卵アレルギーと診断された小児は介入群で有意に少なかった。介入群9%(34人)、対照群15%(52人)で、未調整相対リスクは0.61(0.41-0.91、P=0.02)、調整相対リスク0.62(0.41-0.93、P=0.02)。  ピーナツアレルギーも介入群の方が少ない傾向を示した。4%(15人)と7%(22人)で、未調整相対リスクは0.62(0.33-1.18、P=0.15)、調整相対リスクは0.63(0.34-1.19、P=0.16)。  その他のアレルゲンでは、陽性反応を示した小児は全て2%未満だった。  IgE関連ではないアレルギー疾患(感作が確認されなかった症例)の罹患は、介入群の17%(63人)、対照群の16%(53人)で、未調整相対リスクは1.10(0.79-1.55、P=0.57)、調整相対リスクは1.10(0.79-1.55、P=0.57)と有意差を示さなかった。  6カ月の時点で牛乳を原料とするフォーミュラを与えられていた乳児の割合は対照群の方が有意に高かったが、それ以外の栄養関連の要因(母乳を与えられていた乳児の割合、離乳食開始時期、魚やナッツを与え始めた時期など)には差はなかった。さらに、兄弟の有無、犬・猫などのペットの存在などにも差はなかった。  妊婦にn-3系脂肪酸を投与しても、1歳時点のIgE関連アレルギー全般の罹患率に差はなかったが、アトピー性湿疹と卵アレルギーは減少傾向を示した。n-3系脂肪酸摂取のアレルギー予防に対する影響を明らかにするために、今後長期にわたって追跡する必要があると著者らは述べている。  原題は「Effect of n-3 long chain polyunsaturated fatty acid supplementation in pregnancy on infants’ allergies in first year of life: randomised controlled trial」、概要は、BMJ誌のWebサイトで閲覧できる。 http://medical.nikkeibp.co.jp/

[業界ニュース]2012-02-10 13:41:39「魚介類をよく食べること」は糖尿病発症リスク低下につながる

 魚介類を週に200g以上食べる人は、そうではない人に比べて、糖尿病発症リスクが有意に低いことが示された。また、加糖清涼飲料水をあまり飲まない人は、よく飲む人に比べて糖尿病発症リスクが低い傾向にあった。愛知職域コホート研究の成果で、名古屋大学の上村真由氏らが1月末に東京で開催された日本疫学会で報告した。  演者らは、米国心臓協会(AHA)が2010年に、心血管疾患予防のために心血管健康度の目標値を制定したことに着目。目標値に盛り込まれた食事・栄養素摂取の状況と糖尿病発症との関連を調べ、心血管疾患予防に役立てることを目的に検討を行った。  対象者は、愛知職域コホート研究のスタート時(2002年)に35~66歳だった愛知県内の自治体職員6651人。このうち、登録時に空腹時血糖126mg/dL以上または血糖降下剤・インスリン使用中の人、高血圧と脂質異常症の薬物治療中の人らを除外した4258人について解析した。  栄養調査は、簡易食事歴質問票にもとづいて実施した。糖尿病の把握は、毎年の健康診断時に空腹時血糖が126mg/dL以上の基準で判断した。また、治療開始の自己申告とカルテによる調査の裏づけによっても把握した。  得られたデータの統計解析は、コックス比例ハザードモデルによって行った。その際、性別や年齢、エネルギー摂取、運動習慣の有無などの変数を用いて調整した。P値の評価は、「<0.05」を有意、「<0.1」を境界有意とした。  食事・栄養素摂取と6年間の糖尿病発症との関連をみたところ、魚介類をAHAの目標値である「週に200g以上」摂っている人の場合、そうでない人に対する糖尿病発症ハザード比は、0.27(95%信頼区間:0.12-0.63)で、有意に低かった(P=0.002)。また、加糖清涼飲料水の摂取が週に1050mL以下の人の場合、1050mL超の人に対する糖尿病発症ハザード比は、0.69(95%信頼区間:0.46-1.06)で低い傾向にあった(P=0.090)。  さらに、AHAの目標値を達成している食事・栄養素摂取の項目数と糖尿病発症との関連を調べたところ、達成した項目数が増えるに従い、糖尿病発症リスクが低下することも分かった。  これらの結果から演者らは、「魚介類の高摂取と加糖清涼飲料水の低摂取は、6年間の糖尿病発症リスクの低下と関連がみられた」と結論した。今回の結果は、日々の食生活を見直すことの重要性を教えてくれるものだ。糖尿病予防という点でとても重要であり、一般市民への啓発に役立てていくべき成果と言える。 http://medical.nikkeibp.co.jp/

[業界ニュース]2012-02-10 13:39:04油料理を多く食べても冠疾患リスクは上昇しない――オリーブ油かひまわり油を使うスペイン人コホート研究の結果

 揚げ物や、たっぷりの油を使って焼いたり炒めたりした料理は、健康に悪影響を及ぼすと考えられている。だが、スペインMadrid大学のPilar Guallar-Castillon氏らは、スペイン人を対象とする前向きコホート研究で、揚げ物などの油料理の摂取量と冠動脈イベント、全死因死亡の間に有意な関係はないことを明らかにした。使用されていた油の大部分はオリーブ油またはひまわり油などの植物油だった。論文は、BMJ誌電子版に2012年1月24日に掲載された。  揚げ物などの摂取は、肥満をはじめとするさまざまな心血管危険因子と関連している。だが、心血管リスクとの直接的な関係を調べた研究はほとんどないことから、著者らは、European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition(EPIC)スタディに登録されたスペイン人のコホートを対象として、油料理の摂取量とその後の冠動脈イベント、全死因死亡との関係を調べることにした。  ベースラインの1992~96年に冠動脈疾患でなかった29~69歳の4万757人を、2004年末まで追跡した。ベースラインで、食事歴質問票を用いた面接調査を実施し、過去1年間のうちの典型的な1週間の食事の内容と量を明らかにした。食事以外の変数として、人口統計学的要因、学歴、喫煙歴、身体活動歴、病歴、女性の場合は閉経前か後か、経口避妊薬またはホルモン補充療法歴などについて尋ねた。身体測定を行い、BMIを求めた。  評価指標は冠動脈イベントと全死因死亡とし、入院記録、心筋梗塞登録、死亡登録などからイベント発生を同定した。  1日の油料理摂取量の平均は138gで、吸収された油の量は14gだった。1日の摂取量の幅は広く、男性では0~817g、女性では0~657gだった。登録者の62%がオリーブオイルを、残りはひまわり油または他の植物油を用いていた。  追跡期間の中央値は11年で、冠動脈イベントは606件発生。466件が心筋梗塞、140件が血行再建術を必要とする狭心症だった。全死因死亡は1135人だった。  油料理摂取量に基づいて登録者を4等分した。摂取量が最も少ない群(最低摂取群、1日の油料理摂取量の平均は47.0g)は1万188人、2番目に少ない群(第2摂取群、105.7g)は1万190人、3番目に少ない群(第3摂取群、158.4g)は1万190人、最も多い群(最高摂取群、249.6g)は1万189人だった。  冠動脈イベント発生件数は、それぞれの群で154件、163件、150件、139件だった。最低摂取群を参照として、摂取熱量、学歴、喫煙歴、身体活動歴、病歴、BMI、ホルモン補充療法歴、飲酒量、食物摂取量(野菜、ナッツ、乳製品、油料理以外の野菜・肉・魚など)などの共変数で調整して、冠動脈イベントの多変量調整ハザード比を求めたところ、第2摂取群のハザード比は1.15(95%信頼区間0.91-1.45)、第3摂取群は1.07(0.83-1.38)、最高摂取群は1.08(0.82-1.43)で、いずれも有意差はなかった(傾向性のP=0.74)。  油料理にオリーブ油を使用する人々とひまわり油などの他の植物油を使用する人々のリスクに差はなかった(交互作用のP=0.22)。男女間のリスクにも差はなかった(交互作用のP=0.19)。  さらに、油料理の素材別に、魚(全体の24%)、肉(22%)、ジャガイモ(21%)、卵(11%)に分類し、摂取量と冠動脈イベントとの関係を調べたが、いずれについても有意な関係は見られなかった。  油料理摂取量と全死因死亡の間にも有意な関係は見られなかった。最低摂取群と比較した最高摂取群の多変量調整ハザード比は0.93(0.77-1.14、傾向性のP=0.98)。  オリーブ油またはひまわり油を揚げ物にも炒め物にも利用しているスペインでは、それらの料理の摂取と冠疾患、全死因死亡の間に有意な関係は見られなかった。  原題は「Consumption of fried foods and risk of coronary heart disease: Spanish cohort of the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition study」、概要は、BMJ誌のWebサイトで閲覧できる。 http://medical.nikkeibp.co.jp/

[業界ニュース]2012-01-19 16:16:56エゼチミブがマウスのC型肝炎ウイルス感染を抑制――コレステロール吸収受容体NPC1L1は抗HCV薬の新たな標的として有望

 コレステロール吸収受容体であるNPC1L1蛋白が、C型肝炎ウイルス(HCV)の肝細胞への侵入にかかわっており、同蛋白の阻害薬エゼチミブにHCVの感染抑制効果があることが、in vitroおよびin vivoの研究で明らかになった。米Illinois大学Chicago校のBruno Sainz氏らが、Nature Medicine誌電子版に2012年1月8日に報告した。  HCVは、ウイルス粒子上の様々な成分とヒト細胞表面に存在する一連の受容体の相互作用を経て細胞内に侵入する。著者らは、ウイルス粒子上のコレステロールがHCVの感染で役割を持つことに関心を持ち、ヒト細胞に存在するコレステロール吸収にかかわる受容体が感染成立に関与するのではないかと考えた。  NPC1L1はヒトの小腸細胞と肝細胞に発現し、細胞のコレステロール取り込みと全身のコレステロールの恒常性維持に関係している。著者らはまず、ヒト肝細胞株Huh7を用いて、in vitroでHCV感染とNPC1L1の関係を調べた。その結果、NPC1L1の発現はHCVの感染に必須であること、NPC1L1特異的抗体を用いたNPC1L1のブロック、またはsiRNAを用いたNPC1L1発現の抑制で、HCVのヒト細胞への感染が抑制されることが明らかになった。  既に日本を含む多くの国で承認を得ているエゼチミブは、NPC1L1の機能を阻害することから、著者らは、この薬剤がHCV感染を阻害するかどうかを評価した。Huh7細胞にエゼチミブを加えて6時間後にHCVを感染させると、エゼチミブの用量依存的に感染は抑制された。細胞にHCVを加えた後にエゼチミブ処理すると、より高用量を投与した場合にのみ感染抑制が見られた。  なお、エゼチミブはin vitroで、主なHCVジェノタイプ(1a、1b、2a、2b、3a、4a、5a、6a、7a)の全ての感染を抑制した。  次に、ヒトの肝細胞を植え付け増殖させた免疫不全マウスに、HCVジェノタイプ1bに感染したヒト患者由来の血清を静脈内投与するin vivo曝露実験を行い、エゼチミブの効果を調べた。エゼチミブ10mg/kg/日の経口投与をHCV曝露の2週間前、1週間前、2日前から行う3グループに分け、いずれも3週間継続した。  その結果、曝露後1週間の時点で、感染前に2週間エゼチミブを投与されたマウスでは、7匹のうち5匹(71%)がHCV RNA陰性だった(エゼチミブ非投与の対照マウスでは5匹中0匹、差はP=0.0192)。同様に、感染前に1週間エゼチミブ投与を受けたグループでは、7匹中3匹(43%)がHCV RNA陰性だった(エゼチミブ非投与の対照マウスでは4匹中0匹、差はP=0.062)。曝露2日前から投与されたグループではエゼチミブ投与の影響は見られなかった。  曝露から1週間の時点で感染が見られなかったマウスも、その後多くがHCV RNA陽性となったが、2週間前からエゼチミブを投与されたグループの2匹は曝露2週後と3週後もHCV陰性の状態を維持していた。  エゼチミブは少なくともHCV感染成立を遅らせる作用を持つことが明らかになった。著者らは、「経口投与した場合には、エゼチミブはまず小腸細胞表面のNPC1L1に結合するため、肝細胞への送達を高めて抗HCV効果を増強するための投与経路または送達法を開発する必要があるだろう。また、HCV感染の阻止に特化したNPC1L1阻害薬の開発も待たれる」と述べている。  原題は「Identification of the Niemann-Pick C1-like 1 cholesterol absorption receptor as a new hepatitis C virus entry factor」、冒頭部分は、Nature Medicine誌のWebサイトで閲覧できる。 http://medical.nikkeibp.co.jp/

[業界ニュース]2012-01-19 16:16:14デノスマブが多発性骨髄腫および固形癌骨転移による骨病変の適応で国内製造販売承認を取得

 第一三共とアストラゼネカは、1月18日、抗RANKリガンド抗体であるデノスマブ(商品名ランマーク皮下注120mg)について、「多発性骨髄腫による骨病変および固形癌骨転移による骨病変」の適応で国内製造販売承認を取得したと発表した。  用法・用量は、「通常、成人にはデノスマブ(遺伝子組換え)として120mgを4週間に1回、皮下投与する」。  デノスマブは破骨細胞の形成、機能、生存に必須の蛋白質として知られているRANKリガンドを標的とするモノクローナル抗体。第一三共が米Amgen社から導入し、2011年5月にはアストラゼネカと日本におけるコ・プロモーション契約を結んでいた。  デノスマブについては、3つの国際共同フェーズ3試験のデータをもとに申請を行っており、乳癌骨転移を対象とした試験、前立腺癌骨転移を対象とした試験、固形癌骨転移および多発性骨髄腫による骨病変を対象とした試験だ。乳癌骨転移を対象とした試験には日本人も参加した。 http://medical.nikkeibp.co.jp/